そう
俺が初めてドロボーをした自覚があるのは
いつのことか?
記事が重複しているかもしれないが
当時にことを
思い起こす。
家の近くに
大久保と言う駄菓子屋があり(仮名)
よく、通っていいたと言うより
毎日顔を出していた
この駄菓子屋
ある時、お大久保のオバはんが
姿を消し、店は閉まったままになり数日が過ぎたある日
俺は、近所の悪ガキ2人にある話を持ちかけたのだ。
9歳の夏の暑い日に大雨の降る中
秘密基地に
3人は、
バタバタバタバタ、バタバタ、バタバタ
と
打ち付ける雨音が奏でる不気味なリズム
俺は、提案する
「大久保に入ろーぜ。」
「金、あるんか?」
「わからん」
「何かあるやろ」
「入らなわからん、自分らで動かな始まらんで」
「明日行こうぜ」
定かではないがこんな、9歳とは思えない
会話をアジトでした様だ
俺らは、近所でも有名な悪ガキで
住民は、俺等の事を
・・・大中・・・
と
呼んでいた
意味は判らない、
とにかく、「大中」と呼ばれ知らない者はいなかった
昨日まであれほど降っていた雨も止み
朝から、アブラゼミがうるさく鳴きまくる
うだるような暑さと湿気
ランニングに、短パンの俺の体からは汗が吹き出る
道路はぬかるみ、そこら中に
大きな水溜りが出来ている
俺等は決行時間を夕方にする事にした
夕方5時すぎ
夏の5時は、まだまだ太陽は照りつけている
3人は
大久保の脇にある電信柱をよじ登り
大久保の塀を難なく乗り越え敷地内に降り立った
建物まで10m、ぬかるんだ敷地内を歩き建物に侵入する
ドアをこじ開け
屋内に入ると、ツーンと鼻を突くカビの臭い
3人はそれぞれの役割を果たす
探す
探す
探す
探す
金目のモノを
札束は出て来ない、俺が見つけたのは、1本の紐に通された
5円玉の束を10本
1本に350円の5円玉70枚
全部で3500円
俺が4本頂き、2人に3本ずつ
それ以外は手を付けずその場を去る
来た道を戻り、塀を乗り越え通りへ出る
3人は、3方向へ散り、その場を去る
俺はその足で、迷路の様に入り組んだ路地の奥の奥へ行き
350円の5円玉束4本を穴を掘り埋めた
その次の、夜店の日に
再び路地奥に入り、5円玉を掘り返し
1束、350円を持って夜店へと向かう
当時の、350円は今の価値でどれくらいだろうか?
今、OK Googleで聞くと
3000円程と判明
9歳のガキには大金だ
夜店で金魚釣りは、10円やったので
贅沢に遊べたのも束の間、
大久保のオバはんが復帰しよった
ドロボーの犯人は子供と警察が判明
俺らが捕まるのは時間の問題だった。
前日の雨で、ぬかるんだ地道が、俺らの足跡を残していたからだ
即、「大中」の仕業と判明
俺等は、親と警察に呼ばれこっぴどく怒られることになり
当時は、罪には問われず
親が、しっかり管理すると言うだけで帰されたが
俺は、次の日顔を大きく腫れ、晒した。
近所の親達は、俺らと付き合っては
「ダメ」
ダメ
ダメ
と、交際禁止令が発令されたのが
9歳の夏の思い出である。