2020/01/01

ヘロイン断薬【KickingOut of Heroin③】(BU)

DATE: 02/01/2015


始まった。

ヘロインによる、身体・精神的な
禁断症状が

嘔吐
初めは、胃の中の物が吐瀉物として吐き出す。
ステージ2、
胃の中に吐き出す物が無くなると、今度は
白い、泡状の物が出て来る
この泡状の物の正体は何かわからない。

ステージ3
ステージ2を出し尽くすと、今度は
蛍光イエローの胃酸が出て来る。
これが出だすと、状態は最悪へと門をくぐる事になる。
胃酸は、気管支と口の中をそのキツイ酸で
炎症を引き起こす。
ここまで、24時間嘔吐を何十回と繰り返し、
その度に、身体全身から脂汗が吹き出てくるので、
身体を拭き、シャツを変えなければならない
この脂汗がコールドターキーを
招き入れる

身体中の毛穴が吹き出物のように盛り上がり
世にも不快な寒気が全身を襲う。
例えようのない不快感
体全体、細胞単位の震え、
精神はギリギリの所で踏ん張っているが、
自分ではコントロールのできない、自律神経が震度9で
揺さぶられている感じと言えばわかるだろうか。

遺産の炎症でやられた気管支と腔内は
呼吸をする度に、
「ひゅーっ、ひゅーっ」
泣き出し、
ひと呼吸毎に吐き気を覚える。

この時に、飴玉が役に立つんだ。
薬用のど飴は、気管支の炎症の不快感を気持ち和らぐ。

最後の注射から約48時間後の状態っだ



ステージ3
48時間~72時間
胃酸も出尽くすと今度は何が出るかと言うと
緑色をした、モズクのような今まで見た事もない様な
物質が出て来る。
これは、胆汁だそうだ、
胆汁を吐くと死ぬと誰かが言っていた事が頭をかすめる。
確かに、状態は死んでもおかしくない状態であるが、
ある本によると、禁断症状では死ぬことはない、と言う統計を思い出す。
禁断症状で死ぬ原因は、代替え薬物の過剰摂取、自殺、
と、禁断症状自体に起因するもではなのだ。

モズクと、コールドターキーを繰り返し
下からの攻撃も始まる、



我慢のできない下痢である。
下痢
下痢止めを飲んでも全く効果なし。

味噌汁のようなほぼ茶色い水がこれでもかと
出て来る、
それは突発的にやって来て、俺を便所まで
行かせる事がない。


オムツの登場である。
絶対ない便所に行くまでに、自分の意志とは裏腹に
勝手に出てしまう
最悪な下痢


嘔吐と、自律神経の嵐だけでも
十分俺の体力を奪うのに、
プラス
下痢だ。

この頃から、体の筋肉か骨か分からないが、
痛み出す。

痛みに神経は逆立ち、体はのたうち回る。

シックとはよく言ったもんだ、
病気

そんな簡単に言葉では表せない
この、症状。

まるで、生き地獄だ!!

こんな事を何回も繰り返し、
繰り返し、
繰り返し、
繰り返し、

俺は、発見した。

慢性ヘロイン中毒と言う呪縛に縛られた生き方、
の中で、

ヘロインの更なる可能性を、
それは





ヘロインを常用すると、
どんどんと耐性ができ飛び(ノディー)を求めるなら
止めどなく量が増えて行く。

俺は最高1回突く量が
0.3g
まで増えた事があった。

それを、2時間ごとに、1日6回突く。
1日で約2g必要になる。

それでも、
突いて、普通になるだけで、
突くのを止めると、たちまちシックがやってくる、
そのシックが嫌で、また突く。
それの繰り返しで、

目覚め
歯を洗うのに1発必要になる。

毎日のスタートが
ヘロインから
始まる。

朝、チョットでも寝過ぎると、
ヘロインをシリンジにセットするのも
もどかしくなるので、前日にキチンとセットしておかねばならない。



そんな、慢性ヘロイン中毒の中で、
シックを繰り返し
学んだ事は、

ヘロインの飛びを再確認することだった。

それが、
わざとシックになるのだ。

そう、48時間空ける
わざとシック状態を我慢し、

48時間後に
いつもの倍の量を放り込むのだ。


すると、シックで冷えっきった身体中の細胞が
入れた瞬間
音が聞こえるのではないと言うぐらいの勢いで
入れ替わる感触を味わえる、


それは、ピストンを押し切った
23秒後
にやって来る。

血液は
23秒かけて身体を1周する


この飛び方にはオプションがある。
覚せい剤だ。

ヘロインに対して覚せい剤をやや多めにする。
俗に言う
SpeedBall
危険なカクテル


強烈な、ラッシュが身体全体に当たってくる。
その後に、ラッシュの逆方向へ
墜落


プラスのラッシュと、マイナスのラッシュ
このアップダウンは他の薬物では味わえない。


まるでジェットコースターに乗ってる感じだ。
この感覚を1度知ると、
ヘロイン単体では物足りなく感じてしまう。


Speed Ball
ほど、危険なカクテルは他にない、
コークとヘロインとの
Miller Ball
もあるが、断然フェニルメチルアミノプロパン塩
の方が軍配は上になる。

____________________________

シックの続きに戻る。

嘔吐と下痢、自律神経の嵐、筋肉や骨の痛み、悪寒、発熱、不眠、体力低下、
思考停止、発刊、鼻水、末端の冷え、脳が締め付けられる感覚、

72時間~86時間
ピークを迎える。


今、こうして思い起こしてても、嫌な気分になる。

シックも5日目頃から
クシャミが出だす。


これが、俺のシックのピークが過ぎたと言うサインだ。
このクシャミ、連発で4-7回位出る。
その度に、身体中悪寒が走り、コールドターキーになる。


ピークを越えたかと安心など出来ない、
回復はシックの逆で、
思い切り
スローなペースで回復して行く。


その間は、下痢や、嘔吐は止まっているものの。
ヘロインに対する欲求や、
自律神経の嵐は変わらず続いているので
苦しい状態

5日間は何も、飴以外口にしてないので
体力が無い。
ウィダーインゼリーの登場

流動物で最低限のビタミンミネラルを補給

固形物は喉を通らない
毎日毎日、ほんの少しだけ回復する
完全に元に戻るのには、
最低で
1ヶ月かかる。



ほとんどのヘロイン中毒患者は
このシック
を回避するためだけに、
ヘロインを摂取するようになる。


ヘロインは
完全に人間の身体、
魂、精神、心

支配下に置く


まるで、惚れた彼女にぞっこんで、周りが見えない状態とよく似ている。


この前、俺の入っている
アメリカのヘロインサポートのサークルに質問したことがある。

このヘロインサポートはヘロインから生還した奴らが集まって出来た
サークルサイトで、ヘロインから、生還者、
生還途中者、
が、言いたい事を書く掲示板サイトで、
その発言にコメントを返したり、イイネしたりでき、
コミュニケーションできるサイトで、


こんな質問をした。


「What is heroin for you ?」
(あなたにとってヘロインとは何ですか?)


1番多かった答えが、

<愛であり、悪魔でもある。>

Lou Reedも「Heroin」
の中で
歌ってる。

ヘロインは人生であり、マイワイフだと。

ヘロインは
生き方であり
人生そのものなのだ。


シックの時によく思い出す歌詞がある。
水戸黄門の主題歌である。

人生楽ありゃ、苦もあるさ~♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦
いつもそう思うのだ。


今生還して思うのは、
二つに一つ、

また、やるか、やらないか、
この2つ歯科選択肢は無い。


そして、ヘロインと言う人生を経験して思うのは、
やって良かった、で、
ある。


人間という有機体で出来た不完全な結合体は
ほんの少量の水素や、炭素、アセチル体、酸の化合物で
クラッシュしてしまう
もろいものだと。


しかしそれは外部化の侵入者で、
脳本来のきのうとしても備わっている。



人間をコントロールするのは
容易い

結論


シックは
恐怖であり、
細胞の還元でもあり
老化を遅らせると言う事だ。


以上

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