DATE: 12/13/2015 05:42:23
「イスラム国」がアサド政権に石油密売…米高官
2015年12月11日 19時08分
ロイター通信によると、
米国のアダム・ズービン財務次官代行
(テロ・財務情報担当)
は10日、ロンドンで講演し、
イスラム過激派組織
「イスラム国」
から、
シリアのアサド政権側に多くの石油が密売されているとの見方を示した。
ズービン氏は、
「イスラム国」が支配する油田から産出される石油は支配地域内で
消費されたり、トルコなどに密輸されたりしているが、
それらより「はるかに多い量」が、
アサド政権側に渡っていると指摘。
また、
「イスラム国」
は取引の際、
「基本的に売却益を採掘現場で受け取っている」
と述べ、
その資金源を断つには
「(油田の)設備を破壊する必要がある」との考えを強調した。
米財務省は、
「イスラム国」
が石油密売によって毎月
約4000万ドル(約50億円)
の収入を得ていると推計している。
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国際的な情報企業のIHS(英国)は7日、
イスラム教スンニ派過激組織
「イスラム国」
が支配地域内での「税金」徴収や資産の押収、
石油密輸などによって今年後半には推定で
月約8千万ドル(約100億円)
の収入を得ているとする報告書を発表した。
安定的な財源を持つことがイスラム国の組織力
につながっているといえるが、その半面、
最近では収支バランスを維持するために
戦闘員の給与を切り詰めるなどの動きもみられるという。
報告によると、収入の約5割を占めるのは、
支配地域内での商業活動への課税や、電気・通信サービスの利用税など。
イスラム国が直接的に支配していない地域でも商人から
口銭をとるなどして収入を得ているとみられるという。
また報告書は、支配地域内で産出される石油の密売も、
収入全体の約43%を占めると推定している。
ただ、イスラム国が制圧している製油施設は、
米軍主導の有志連合やロシア軍の空爆で大きな損害を受けている。
国際的な監視網も強化されていることから、
石油の密売ルートは、
支配地域に隣接するトルコを経由した国外向けから、
シリア・イラク国内向けに徐々にシフトしている傾向もあるという。
イスラム国には海外の支援者などからの
寄付金も流れ込んでいるとみられているが、
報告書は、
収入全体に占める割合は小さいと推計。
国際テロ組織アルカーイダが支援者からの資金に強く依存しているのに比べると、
イスラム国は
「外部から影響を受けることを回避しようとしている」
と指摘している。
IHSは、アラビア語のソーシャルメディアを含む
ネット上の公開情報や、
各国政府の情報に基づいて分析を行った。
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