MAちゃんとの出会いは、
俺がヘロインで初めてパクられてから1年がたち、
ヘロインを抜いてる時に
アメリカ村の服屋の店番をしていた
MAちゃんの友達もF子が俺の友達で、
すっかり、綺麗に抜けた俺は時間を持て余していた。
俺は毎日のようにF子の居る、アメ村の店に顔を出していた。
店の店長は、MAちゃんの兄弟で、Oちゃんと言う店全体がヘロイン中毒者
の服屋だった。
しかし、この頃は何故か忘れたが、全員抜けていた、
多分市場にプーが無かったんやと思う。
たまに話があると、大阪中のヘロイン中毒患者が全員酒豪状態になり、
ほんのわずかしか回って来なかった、
そんな、時代だ。
MAちゃんは、俺好みの中々いい女だったが、
結婚していた。
勿論、俺も結婚していた。
このナイスなMAちゃんは実はとんでもない
曲者
であったのだ。
店に通ううちに、どんどんと親密になり、家にまで行くようになった。
その家は、俺らがパクられる前は
大阪のアヘン窟として有名で、
当然俺も知っていた、
旦那は独自の密輸ルートを持っていたが、
俺のルートからもよく仕入れてたので、風体や名前はよく耳にしていた。
俺は、販売に関しては前にでてなかったので
俺のチーム(前に書いた「裏切り者M子」)
の
M子が
仕切っていたので
誰にどれだけ売れた、流れた等の報告を受けてたので、
当時、大阪のヘロインの状態は把握していた。
その、有名なプッシャーWさんの嫁はんが
MAちゃんであった。
Wさんも俺のことをM子から聞かされており、俺の存在を知っていた。
そんな感じで、Wさんとも仲良くなり、
家族づきあいをするようになっていった。
当時、ヘロインに変わるモノとして、
アルコール
の常用者になっていた、
朝1から缶チューハイをのみ、チャリンコでミナミのアメ村まで
毎日、20分かけて走っていった。
この、MAちゃん何が曲者かと言うと、
数え上げれば、キリがない。
まず、虚言癖がある、
盗癖
浮気癖
誇大妄想
被害妄想
精神分裂・・・
まだまだあるが、書けない
書くと、知ってる奴がこれを読むと特定されてしまうからだ。
浮気癖から行こう、
Wさんは、人望も厚くカリスマのような人なんで、
廻りには、何人もの人間がWさんをしたって集まってくる。
取り巻きは、Wさんの事を王様の様に持ち上げるので、
その嫁はんである、MAちゃんは、自分は
王女
と、勘違いしてしまっている状態だった。
MAちゃんの言うことは、Wさんの言葉と等しく
絶対であった。
俺は、あくまでも
オブザーバーとして付き合いをしてたんで、ファミリーの1員ではなかったのが幸いしてた。
王国の様子がよく見えた、
信者達には、ランクがあり
Wさんの家の中で移動範囲が細かく決められていた。
例えば、冷蔵庫を開けれる奴と
開けれない奴
入って良い部屋と、入ってはいけない奴
2-30人の信者がいたかと思う、
そんな状態なんで、
MAちゃんは出入りする男を選び放題である。
次から次へと
信者を食物にし、飽きれば捨てる。
それを旦那であるWさんにわざとバレるような事をするのが厄介だ。
餌食にされた信者はもう2度と、Wさんの家には出入り出来なくなるだけでなく、
大阪中のヘロインの密売屋や、プッシャーから売ってもらえなくなる。
プー中にとっては、一大事だ、
俺は、そんな奴ら相手に、こっそりと相場より高い値段で
小売で、小遣い稼ぎをやっていた。
1989年の 不良グループによるヘロイン密輸入、密売事件
一斉摘発、104人逮捕
と、新聞や、ニュースでヤクザの絡んでない特殊な事件として
大々的に報道された。
この事件で生き残ったのは、神戸の連中だけで、
大阪は全滅した、多分に漏れず俺もパクられた。
何と俺が最後の一人だった。
近畿麻薬取締官事務所
の長期に渡る内偵捜査の結果この様な
大事件としてメディアに取り上げられた。
近麻が言うには、
俺は、6ヶ月も内定され、何時に何処へ行き、
何時に、犬の散歩に出かけ、など完全に把握されていた。
それに、ゴミをあさり証拠となる様なパケかすや、アルミホイルのカス
等を、集めていたのにはこの俺もビックリした。
この件に関してはまた、
別の機会に書くとする。
その事件の後、
1年半後の事である。
この時、大阪は全滅したので、
唯一生き残った、神戸グループに保釈で出た俺は、
アクセスし、
保釈で出たその日に、
ヘロインで、船を漕いでいた。
神戸を仕切っていたのは、
何と、
アメリカ領事館の
領事の運転手のAさんと言う
見た目は、ヘロインなど縁遠い人だった。
ヘロイン中毒患者には、
インテリジェンスな感じの人間が多い
ポン中との大きな違いだ、
大学の教授や、一流外資系企業の役員や
弁護士、医者など
考えられない様な職業の人間と出会った。
普通に生きていたた知り合うことの無い様なタイプの人間と出会う事ができた。
俺に取っては大きな人脈だ、
だから、そんな連中は、ええかもでもあり、
イザと言う時の頼みの綱にもなった。
保釈で出てから、
公判が有り、判決は、
懲役1年半、執行猶予3年
で晴れて大手を振って歩ける様になったが、
神戸グループとの接触で
出てから、1年はプーにハマっていた。
そんな神戸もAさんが捕まり、
ヘロインが回らなくなり
近畿2府3県から
ヘロインが姿を消したのだった。
殆どのプー中は酒に溺れ、ポン中になりと、
それぞれの、道を模索してる中での、
MAちゃんとの出会いだった。
ある時、こんな事件が起きた、
Wさんの家には、神戸の
シドANDナンシィー
と呼ばれてた、F子が居候していた。
居候する様になった理由は
長くなるのでここでは辞めておく。
そお言う訳で、Wさんの家には
Wさん、MAちゃん、F子
の3人が住んでいた。
ヘロインは無かったが相変わらずカリスマの家には多くの人間が出入りしていた
ある日、覚せい剤を引くために
大阪南部からカップルが
30万円
持って、Wさんの家を訪れていた。
皆で、Sと赤玉でほ焼いていたら・・・・・
カップルの女の方が騒ぎ出した、
何でも、持ってきた金
30万が無いと言い出した。
一大事である、知り合いばかりの中で30万もの
金が
無くなったのである。
犯人は間違いなく今ココに居る誰かなんや。
えらいこっちゃ、
一体誰やねん・・・
皆で、Wさん宅の大捜索と犯人探しが始まりよった。
(もー、かなんなぁー)
本音を呑み込み俺は、適当に探すふりをする。
俺は、もう知っていた、
Wさんも恐らく分かっていたと思う。
さて、何処から出てくるのか、
俺は、楽しみだった。
これだけ大事に成ったら出さない訳には行かない、
なぁー
MAちゃん
と心の中で思い
どんな結末に成るのかが楽しみだった。
何故、俺はMAちゃんを疑ったのか?
お互いの家を出入りする様な関係が出来上がった頃から、
俺の家の物が無くなり、
Wさんの
家で
発見する事が多々あったや。
俺は、それを俺の嫁はんに言うと
嫁はんも同じ様に感じていたらしかった。
この事は、俺ら2人以外の人間には言わず
MAちゃんに対して
トラップ
を仕掛けてやった。
俺の家のカウンターに印を付けたMAちゃんが
欲しがりそうな物と、500円玉2枚を
何げに置いておいた。
Wさん夫婦が帰った後、
トラップを見ると
案の定
ある物と、500円玉2枚が見事に無くなっていたのだった。
問い詰める事はせずに、MAちゃんに
盗癖のあるのを確認したかっただけだ。
他にも、こんな事があった。
その頃、俺らは、北にある、
Lと言う、クラブの常連さんで
ほぼ、毎日の様にクラブ L に行き
大音量で流れるダンスホールレゲエのリズムとテキーラに
身体を任せ、アル中もええなぁー
と、何か思いながら、他の客のカバンから財布を抜いたり、
酔っ払いを介抱強盗したり。
ナビオ裏に集まる、カスタムカー族を
カツアゲしたりと
やりたい放題やっていた、
そんな事をするのは
俺
だけで、
Wさん達は純粋にビートの波に乗りに来てただけで、
やんちゃする俺にストップをかけていた。
そんな中で、MAちゃんが俺に感化され、クラブ L を
抜け出し、裏にあるコンビニから、
袋一杯の歯ブラシを万引きして来た。
俺はMAちゃんに注意した、
俺、「お前、アホちゃうか!同じもんばっかりパクって来やがって、
同じパクるんやったら、もっと高いもん取って来んかいや!」
ガツンと、言ってやった、
MAちゃんにこんな口の利き方が出来るのは、
後にも先にも俺だけだった。
旦那の、Wさんですらそんな言い方はしない
10歳も年下のMAちゃんは、可愛い、可愛い、と言われ続け、
今では女王様として育って来た背景がある。
しまいには、Wさんが言いたい本音を俺から言ってくれと言う始末だ。
どうしようもない夫婦がそこには居た。
俺が、MAちゃんを注意してから数日後
得意満面の顔をした
MAちゃんが家にやって来た、
開口一番、
「Dちゃん、これパクってきたで、」
と言って、
一眼レフの水中カメラを差し出した。
俺の目は、真丸に成ったのを鮮明に記憶している。
黄色い蛍光色の水中カメラ
俺、「MAちゃん、それ何処から取ってきてん?」
と
聞くと
何と、俺の家の並びにある、ダイビングショップから
拝借して来たと言う。
俺は、頼むから、家の近所では辞めてくれと、
女王様に懇願した。
女王様は聞く耳を持たず、
腕をまくり、ニードルを血管に差し込んでいた。
少々説明が長くなったが、
そんな理由で俺ら夫婦はMAちゃんの盗癖を
見抜いていた
そんな中で起こった
30万円
紛失事件
この
続きは
この記事の
「続きを読む」
から、
更新すことにする。
チョット、疲れました。
では、
トゥービィーコンティニュードゥ
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さて、30万円紛失事件だが、
大人6人掛りで2時間も探し、
とうとう、発見された。
さて、どこから出てきのか?
それが何と、F子の鞄の中から発見されたのだ。
F子は、当然知らないと、言う
最もな事だ、
F子は犯人ではなんやから、濡れ衣着せられた
言い訳そすればする程容疑は
F子
に固まって行く。
実際F子は万引きすらしない奴やが、
日頃の行動が常人離れした思考と、行動を取るので
こんな時は、可哀想やが疑われてもおかしくない。
そして、その金を発見したのは MAちゃん
だった。
MAちゃんが、この状況を考えた挙句の決断だったんやろ。
F子と言うちょうどええカモが居たから。
この話は、この事件の後何日かしてから、
俺が
MAちゃんを問い詰めて白状させた内容に基づいている。
F子の弁解も虚しく、3人(MAちゃん+カップル2人)
から責められた。
すると、F子の堪忍袋の尾が切れた。
F子は大声を上げ、意味不明なことを喚きしらし
鞄から財布を出し、家の外に狂った様に出て行った。
流石、神戸のナンシィー、伊達にそう呼べれてはいない、
現場にいた俺は、3人からあれほど責められれば普通の子なら、
泣き出してるか、やっていない事を認めざる負えない状況
に置かれてるだろう。
F子は逆ギレした
しかし、現場の状況は、
犯人はFk子で間違いないと言う状況だ。
そうでないと判っていたのは、
俺と、Wさん
2人
と
MAちゃん
だけだった。
まー、F子が出て行ったおかげで、その場は落ち着きを取り戻した。
カップルも、金さえ戻れば
取り合えずはその後
愚痴る様な事もなく、30万円分の覚せい剤を無事に手にして
皆で、S とパカで
その日はぶっ飛び、あくる日に男3人でパチンコに出かけた。
今回
F子が
この様な目に合わされるのは実は、初めてではないのだ、
F子は何度となく、
MAちゃんから嫌がらせを受けている、
何故か?
MAちゃんのストレス解消なのだ
それと、被害妄想
が
原因であるのは間違いない。
F子は性格こそ狂ってるが、
別に悪い人間ではない
俺からすると、
可愛い顔をした、MAちゃんの方が質の悪い陰険な女だった。
しかし、MAちゃんは外面がええんで
出入りしている奴らからは絶大な支持を受けてた。
MAちゃんは、俺の嫁はんとも仲良く
行きつけのクラブ L に行く度に、
向かいにある、アクセサリー屋から安もんのアクセサリーをこれでもか━━━━!!
言うぐらい万引きしては
スリルを味わっていたのだろう。
そして、魔の手はついに俺にまで優しく微笑んできたのであった。
MAちゃんから毎日の様に、夕方になると
電話が掛かって来た。
クラブ L へのお誘いの電話だ、
当時俺は、落ち目で
自販機や、置き引き、介抱強盗、カツアゲ、ATM引き回し強盗、窃盗 万引き
が仕事で
薬物販売から離れていた
つまり金がなかtったのだ。
日銭を稼ぐのが精一杯で飲み歩きなどしてる余裕はなかったが、
クラブ L は仕事を兼ねて行けるというメリットもあった。
そんな状態を知る
MAちゃんは、おごってくれるんで、
ついつい
誘いに乗って毎夜毎夜
2人
だけで
L
に出没していた
ある時、2人ともネンビィーと言う
テキーラにどっかりと支配され
2人と言うより
俺
だけ?