プッシャーの周りの奇怪な面々② (BU01/26/2014)
こうして俺はしょうがなく尿検査に応じたのだ。
それはイコール逮捕と言うことだ。
前回逮捕され執行猶予をもらっていた俺は、執行猶予期間は消費してたものの、
つい先日銃刀法違反でパクラレ罰金刑を受けている。
今回は懲役は免れないとこの時は思っていた。
科捜研の結果が出るまで帰らさせてくれたことは本当に
ラッキーだ。
2週間後位に警察から電話があった。
刑事「陽性出たから出頭してくれるか。」
俺「今、うちのオカンが癌で入院してるんで、もうちょっと待ってくれませんか?」
刑事「おーそうか、それは大変やな、いつ頃来れる?」
俺「来月には行きますわ」
刑事「わかった、何かあったら連絡くれるか?」
こんなやりとりだったように思う。
なんやかんやで俺は、6月に捕まり翌年の8月まで出頭しなかった。
どうしても、ヘロインがやめれないでいたのだ。
警察も迎えに来たらしいが、俺達は別の場所に逃げていたので
なんとか、難を逃れたのだった。
危ない危ない、入れ違いや。
闇雲に逃げていた訳ではなく、常時警察には連絡を入れていた。
そして、1年2ヶ月後に俺はヘロインを抜いて、出頭した
刑事に、やっと来たか、などとからかわれながら、
調べ室に入った。
協力的な刑事さん。
俺の担当刑事は、生活安全課の課長で、
開口一番、「執行猶予もらえるようにしたるから安心せえ」
と、言ってくれた。
ダブルになるけどもらえるんかいなと思いながら、その時は聞き流していた。
調べが始まり、ネタ元を聞かれたが
覚せい剤も、ヘロインも、草も、全部イラン人で通した。
課長のはからいで、最後に覚せい剤を打った場所の
引きあたりの時、
課長「わしら、あんまり遠くに行きたないから、適当な場所しとけよ」
と言うので、
適当に近くのコンビニの駐車場にした。
すると、「時間余ったわ。」と別の刑事が言うと
課長「飯でも食いに行くか」
と
デニーズへ連れて行ってくれた。
本当に面倒見のいい課長で、
調書は課長の言うまま巻いてもらった。
その結果、裁判ではダブル執行猶予という離れ業で
懲役2年6月の執行猶予4年、保護観察付きと言う
判決を受けた。
シャバの奴らは、ダブルで出てきた俺を犬扱いしよった。
まー思われてもしゃーないか、1年以上出頭伸ばして
挙げ句の果てに、ダブル執行もろてんもんな。
商売には影響することなかったのがせめてもの救いである。
この時留置書で俺が載乗っていたR33を盗んだと言う窃盗団のボスが捕まっており。
車に関しては、なんのお咎めもなかったのだ。
窃盗団のボスが自供調書を巻いてくれたのだ。
窃盗団のボスは、なかなか男前のええ男やった。
高額万びき団
化粧品や医薬品の高額なものを万引きして、買取屋に買い取ってもらうと言うシノギをしていた
グループがいた。
奴らは、買取屋から買取比率の書かれている資料を元に、
郊外や、百貨店などに入っている、大型薬局店をターゲットに
ホテルを転々として、へろいんや、覚せい剤を貪る生活をしていた。
万引きと馬鹿にしてはいけない、1日の上がりは、10万以上になるのだから。
ホテルに1.5万円、食事に1.5万円、ヘロインが7万円
毎日10万かかる、
男3人女3人の6人グループだ。
ヘロインの量もそれなりに必要なのだ、
奴らの狙うのは、高額な化粧品、や、アリナミンなどの高額なサプリ。
3チームに分かれて行動に入る。
時間は限られている、買取屋が午後7時が最終なのだ、
取引は、尼崎まで行かねばならない。
行く時間を入れれば6時には仕事を終わらさなければならない。
1チームのノルマは4万円
7時に買取が終わると俺に連絡が入る、注文だ
お得意さんなので、毎回配達してやる、今日はどこどこのホテル、
北が多かった。
ヘロインをゲットするとみんなで均等に分けるが、親分らしい男がその権利を持っている。
親分の一挙一動に全員の目が品物に集中する。
均等に分けるといっても、今のように、デジタル秤などなかったので
目分量で、分けるのだ。
1グラムのヘロインを6つの山に小分けする
どれも同じくらいに見えるが、選ぶ順番はジャンケンで決める。
勝ったもの順で選ぶのだが、みんな真剣である、俺にはどれでも一緒に見えるのだが
わずかな違いを感じ取り慎重に選んでいるのだ。
窃盗団の生活ぶりはすこぶる良いものに見えた。
ある事件が起こるまでは・・・
ある日、3チームある1チームが捕まったのである。
店側もアホではない、そう毎回毎回パクられていたら、対策を考えるもんだ。
2人は窃盗と覚せい剤で逮捕された、
ヘロインはその当時はパクられても検査しないのであった。
またしたとしても、代謝が早いので陽性になることは希であるからだ。
2人は初犯だったので執行猶予で出てきた。
そして、再び元のグループと合流したが、
その時には薬局を狙う万引きができなくなるほど厳しくなっていた。
収入の道を絶たれた窃盗団は金に詰まりだし、ヘロイン仲間を騙し、
金を横領し始めた、俺のところにも通達が来た、
姿を現したら連絡するように。
ある日、イラン人のところにボスが現れた、イラン人にも通達が行っていたので
ボスはじめ仲間みんなが、騙された連中に捕まり、
袋叩きに合うという事件が起きた。
最後は警察署の前に放り出されそのまま御用となってしまったのだ。
それ以降このグループの誰一人として見たことがない。
今日に至るまで。
以上
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